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３月５日に実施された令和６（2024）年度静岡県公立高校入試の学力検査について、各教科の出題内容を分析しました。新聞発表などで入試問題を見てみたという方も少なくないと思いますが、中２・中１時点までに学んだ内容で挑戦できる問題も一部あったのではないでしょうか。
５教科それぞれの分析をぜひ参考にしてみてください。

今回は理科編です。

全般
例年どおりの問題構成、問題数、配点及び難易度でした。

大問：６問（小問集合、生物、化学、地学が２問、物理）
問題数：34問　50点満点

単純な計算問題や安易な語句・用語を問う設問はほとんどなく、深い知識力と思考力・洞察力が必要とされる入試問題でした。

大問ごとの分析
大問１（小問集合）
小問が４問出題されています。生物、化学、地学、物理と各分野毎出題されており、基礎的知識を確実に理解していれば安易な設問です。

大問２（生物）
例年出題される脊椎動物の特徴、食物連鎖、だ液の対照実験、エネルギーに関する計算問題でした。生物の設問に関しては、出題の直接の関連性はないものの、１年生は「動物のなかま分け」、２年生は「消化」、３年生は「食物連鎖の生物のつながり」が出題されています。

大問３（化学）
ここ何年間の入試の傾向を考察すると、イオンや電池の設問が多く、特に、この分野を重点に学習した生徒も多かったように思えます。
今回はこのイオンや電池の出題はなく、化合物・密度、酸化銅の化学反応の設問でした。（２）①のように、安全や基本動作の問題も最近は多い傾向です。
また、（２）④は銅と酸化銅の質量の関係性の正確な理解を特に必要とする計算問題とグラフでした。
例年通り化学反応式は今年も出題されました。イオンも含め、確実に理解しておく必要があります。

大問４（地学）
天体の設問です。令和４年度の入試にも天体の設問が出題されています。
ここ数年間は１年生で学習する火山・地震等と２年生で学習する気象・天気の設問が大問２つのセットの傾向でした。
今回は火山・地震等の設問は出題されませんでした。（１）は天球を使用した日周運動の問題でした。日周運動の原理を理解する必要があります。（２）の設問は、地軸の傾きと北半球南半球の位置関係を理解していれば分かる問題です。

大問５（地学）
例年どおり気象・天気の設問です。
（１）は前線記号の作図と前線の設問です。温暖前線と寒冷前線のできる雲の範囲については、「なぜ、この現象が起こるのか」を考察して深い学習を続けてきた生徒には有利な設問だと言えます。
（２）②の気圧の問題も「なぜ」という疑問を持ち、科学的に考えていけば、理解が深まるでしょう。
このあとの大問６にも言えることですが、身近な気圧の物理現象に関する典型的な設問です。

大問６（物理）
（１）①は、中学生で学習した力の種類です。「それぞれの用語が意味するものは何か」を考えて深い学習を積んできた受験生に有利な出題だったといえます。（１）②は「てこ」の設問です。動滑車と定滑車を組合わせた仕事の設問です。そもそも、「動滑車がなぜ、力の大きさが半分になり、距離が倍になるのかを、なぜ、どうしての観点で理解する必要があります。
（２）は空気の抵抗や摩擦がないという条件のため、斜面上での台車の運動は「等加速度運動」になるはずです。「等加速度運動」であれば、テープの長さは一定量ずつ変化することになります。現象が加速しなくなった、つまり「等速直線運動」に変わったことを理解する必要があります。

静岡県統一模試は入試・県学調の傾向にならった問題を作成しています
学力調査研究会では、高校入試・県学調の傾向を明確に分析したうえで模試を提供しています。
中学３年生は第１回～第５回は県学調対策、第６回・第７回は高校入試対策の模試です。
４月の模試は４月６日が実施基準日ですので、ぜひご利用ください。

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